時刻表1000号
JTB(日本交通公社)発行の時刻表が通巻1000号を達成しました。
国鉄最後のダイヤ改正の昭和61年11月号の最盛期から発行部数は落ちたものの、旅行雑誌の永遠のベストセラーです。
今は弘済出版社版が駅などに備え付けられて主流ですが、国鉄時代はJTB版でした。
やはり当方にとっては編集や字体の面などでJTBのほうが慣れています。
時刻表から漢字、駅名、地名を学んだ方も多いと思います。
どれだけ、自宅にいながら旅行を満喫したことでしょう。
昭和、平成、それぞれの時代の節目を時刻表が物語ってくれています。
当方が生まれる前の、戦前、戦中、戦後の混乱期。
新幹線開業、東京オリンピック、大阪万博、高度経済成長…
久し振りに購入しました。
いろいろ見ると、当方の記憶と相当かけ離れています。
当たり前ですが、新幹線が増えました。
寝台列車の激減はともかく、「L特急」が死語になりつつあります。
グリーン車を連結した普通列車は、ほとんどが東京近郊です。
列車番号も無印(客車)D(気動車)M(電車)の3種類から、A,B,C,E,F,G,H,K…
掲載順も変っています。国鉄時代の名残りの第3セクターの鉄道がJRの頁に一緒に載っています。
巻末の列車編成表を見ると、短くなったですね。
3両、4両編成の優等列車も当たり前(模型向きとも言えますが)。
上野、東京、大阪などから主要幹線を10両以上の編成の特急、急行が頻繁に発着する光景はもう見られません。
1000号の裏表紙の広告は「WILLER EXPRESS」。
格安高速バス会社のひとつ、ウィラー社です。
ウィラー社は記念すべき1000号の裏表紙を飾ったことで、今の時代を象徴する格安高速バスの表と裏(ちょうど広告は「裏」表紙です)も後世に語り継がれることになります。
しかし、事情を知らない人がこの広告を見て、時刻表本文に載っていない旨、JTBにクレームの電話をするのではと、気になったのは当方だけでしょうか。
残念なのは新しい号が出て買う度に、古い号を捨てていたこと。
「ダイヤ改正の節目の号だけでも保存していたら…」
そんなことを言ったらキリがないですかね。
時刻表のおかげで旅行が出来る。
時刻表の通りに列車が来る。
これからも永遠に世話になる時刻表。
安全、正確な日本の鉄道の一翼を担って今後も刊行していただきたいです。
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